
中国茶は農産物。農産物には害虫がつき物。出来る限り商品として綺麗な物を出荷したいと思う茶農家は、どうしても農薬を使うことになる。
しかし、農薬は、その許容度を越えると、害虫だけではなく、人間にも害を及ぼすことになってしまう。特に中国茶の農薬問題を考える場合、中国での農薬使用の基準と海外のそれとは大きな隔たりがあり、昨年も欧州への輸出が大幅に減少するなどの問題があった。今でも、農林水産省のウエブサイトには、この問題についての記事が掲載されている。
農林省ウエブサイト
さらに、一時期の中国の新聞でも、国内の茶葉に農薬が含まれているという記事がいくつも見うけらたものだった。
例えばこんな記事がそれだ。→「京城市場六成有有機茶含有農薬」
最近でこそ、大分話題的には減少してきたがいまだに中国政府の検査で引っかかるものも多いと聞く。
しかし、気を付けなければいけない。問題は、農薬そのものを使用することではなく、過度な農薬の使用による、規定以上の残留農薬が茶葉に含有されていることなのだ。もちろん、使っては行けない毒物を農薬として使用することは言語道断。ところが、農薬基準が曖昧で、使用できる農薬の範囲が広かったりすると、こういうことが時々おこってしまうから怖い。
では、この基準がどうなっているのかということはなかなか一般の消費者には分からない。
ちなみに日本の基準を調べてみると、食品衛生法という法律に行き当たる。
現在、日本では食品衛生法において定められる食品の規格の中で、食品に残留する農薬の基準が「残留農薬基準」と呼ばれている。残留農薬基準は、農産物に残留する農薬量の限度として定められているから、これを超えるような農薬が残留している農産物は販売禁止等の措置が取られることになるわけだ。
この残留農薬基準の対象となる食品は、国民が口にする食品の全てを対象としており、国産農産物、輸入農産物のいずれもが食品衛生法に基づく規制を受けることとなる。したがって、中国茶もその対象にはなっている。輸入されるお茶は、検疫所による港や空港に入ってきた段階での輸入品のモニタリング検査が行われ、基準に抵触する物は廃棄処分にされているのが通常だが、サンプリングの仕方にも若干不安がないでもない。
平成9年に東京都が行ったサンプリング調査では、残留農薬(殺虫剤)の検出された烏龍茶があるが、幸い残留農薬基準はクリアしていたようだ。
そもそも残留農薬の検査に関しては、2つの考え方があると思う。検査自体も、茶葉の抽出物の検査と茶葉自体を検査する方法によって、残留農薬の濃度は異なってくる。この当たりの基準がいまひとつ不明確だ。特に中国の緑茶の芽茶(龍井や碧螺春)などは料理にも使われますので、茶葉自体に含有される高濃度の残留農薬が気になる。
日本では、平成12年に「有機JAS表示制度」が導入され、有機肥料、無農薬の食品に有機JASマークが付されることになっているが、中国ではまだこのような制度はない。年々、浙江省を中心にオーガニック茶が研究され、栽培されるようになって来てはいるが、日本に輸入され消費者の手に届くときに、それがオーガニック茶であるかどうかはほとんど分からないというのが実情だろう。
もちろん、無農薬だけが良いとはいわない。農薬の中には、比較的害の少ないものもある。しかし、例えば産地の農家の顔が見えるお茶のような、もう少し、消費者にも判断できるような仕組みを作って欲しいものだと思う。いわゆるトレサビリティーの徹底ということになるのだろう。
もちろん、中国茶の全てが農薬で汚染されているなんていう誇大妄想的なことは考えていないし(台湾茶は比較的農薬管理がしっかりしているようだ。)中には素性のわかるお茶もあることはあるが、日々、おいしいお茶を鱈腹飲んでいるぼくとしては、こういう中国の新聞記事を読んでしまうと、消費者側にも自衛する能力が必要なのだなあと思ってしまうし、事実、安心できる業者を探さねばならない。
実際中国でもWHO加入にともない、無公害食品プロジェクトや農薬の管理強化、トレイサビリティーの確立等を進め、農産物の品質と安全性管理の強化に取り組んでいるらしい。しかし、そう言うものが日本にいる消費者の実感としては分かりにくいなあとおもうのだ。
しかも、中国の場合、まだまだ農民政策が立ち遅れており、国が懸命に無公害プロジェクトを進めても、農民サイドがそれに対応できていない場合も多いのではないか。
だから、まずは、日本の輸入業者の方々に、残留農薬の検査は是非とも行ってもらいたいと思うわけである。これから先、中国茶が日本の家庭において、常茶となるためには、このような問題からクリアして行かないと、これ以上の中国茶の浸透は見込めないかもしれない。
参考サイト:QING XIANGラボラトリー
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