ぐるぐる緑茶

ぐるぐるの茶葉の緑茶。北海道の香香の遠藤さんから送ってもらったもの。
名前は涌渓火青。安徽省宣城地区涇県涌渓山山麓の黄田郷を中心に作られる緑茶だ。明代から作られているという由緒あるお茶である。この産地は宋代から文献にのこってるので、もしかしたら、もっと前から作られていたお茶なのかもしれない。
いままで見たことのある涌渓火青に比べて、とてもきれいな緑色をしている。いままで飲んだこのお茶は、比較的火入れの強い、表面が黒っぽく光っているものが多かったが、これはとてもきれいな茶葉。
くるくると巻いてあるのがこの茶の特徴。揉捻までは他のお茶と変わらないオーソドックスなつくりのお茶なのだが、整形工程が複雑怪奇。
一回の工程で7種の揉捻工程を経て整形されるのだとか。7種類も揉捻の仕方があるのかと驚くのだが、ちゃんとそれがあるのだなあ。
「圧」=たてに押しつぶす
「堆」=横に押しつぶす
「翻」=ひっくり返す
「炒」=炒め押しつぶす
「斉」(テヘン)=窮屈な状態にする
「滾」=ころがす
「轍」=ひき潰す
これらの整形方法を組み合わせて、揉捻が行われる。熟練の仕事が必要になる工程だ。このお茶の作り方だけは一度みてみたいものだ。
台湾の高山茶や安渓鉄観音などが布に包んで包揉されるのにたいして、この形を作るのはすべて手の技。

茶葉の表面に結構光沢があるのは、揉捻作業を行うときに、釜の表面に茶油を敷くからだそうだ。それによって茶葉がきれいになるのと、形が崩れにくくなり、保存も利くのだとか。いろんな工夫がしてあるものだ。
涌渓柳葉種という地元の品種などが使われているのだそうだが、一芯二葉の比較的小さめの茶葉が使われていて、ところどころ産毛が生えている。
味は、火入れの味がまず前面に感じられるが、その火入れの味の向こう側に、かなりしっかりとした緑茶の味わいが潜んでいる。火入れの味が気になるようなら、一煎は放棄して洗茶を手早くしてから、二煎目以降を本格的に味わうと良いだろう。
濃く入れると、やや渋みがたつが、いやな部類の渋みではなく、口の中でじんわりと甘みに変化する。この手のお茶は結構インパクトがあって、食後とか、ねむいなあと思ったときにおいしくのめるので、僕は好きだ。
記録によると鄧小平が獅峰明前龍井と並ぶ茶と賞賛したという記録が残っている。龍井とはまるで違う性格のお茶で、比較するのにはかなり無理があると思うが、お茶好きにはたまらないお茶なんだろうなということはわかるね。
こういう、何気なくおいしいお茶をそろえているところが香香のにくいところなんだよね。
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