
紅茶好きなら誰しもが知っている「ブルース兄弟」。インドアッサムでアッサム種の茶木を発見した人として知られている。このブルースが、アッサムで開いた茶園が「ジャイプール茶園」なんだとか。
ここで、作られた面白いお茶がBRUCE TEA。
でも、この紅茶は中国種。アッサムで中国種とは何故?と思っていたら、1833年に中国茶貿易が自由化されたので、イギリス東インド会社が中国種の茶樹をインド各地に送っていたのだが、どこもあまりうまく行かなかったらしく、アッサムで茶樹が発見されたというのなら、アッサムは茶樹の育成に向いているのだろうということで、中国種の茶樹も送られて、ここジャイプール茶園で育てられたのだそうだ。
そして、このBRUCE TEAこそ、当時の茶樹そのままに製茶されたお茶だということ。1834年当時のまま再現されたというから、これは茶に興味を持つ人間には、とても興味深い。
今回、こんなお茶を企画したのは、名古屋の紅茶専門店TEA's Lyin-anの堀田さんと京都の紅茶専門店ラ・メランジェの松宮さん。お二人とも仲良くしていただいている方々。
いかにもお茶を探求する二人ならではの試み。そして販売はこの11月19日からTEA's Lyin-anで行われている。近いうちにラ・メランジェでも発売されるらしい。
この紅茶は、当時の紅茶の製法、つまりまだ完全な紅茶の製法が開発される前の、半発酵に近い紅茶の製法でできているのだという。今回、この紅茶の規格をした堀田さんが、「松下先生が「アッサム紅茶文化史」に書かれた「半醗酵の紅茶」というのが、まさに実感できるお茶ですよ。」というメールを送ってくれた。烏龍茶と紅茶の過渡的な製法ということができるのだろう。

茶葉はやや黒っぽいが、ところどころゴールデンチップが混ざる。運搬の途中でクラッシュしたのか、茶葉がそのまま復元するものはほとんど無かった。このじょうたいだとエグミが出そうだなとおもったので、ポットではなく、中国茶の茶壺で淹れてみることにした。ついでにいつも茶を飲んでいる蓋碗も使ってみた。やや茶葉が小さいので、淹れるのが難しそうだが、茶葉の量を比較的抑え目にしてトライ。
まず一煎目。比較的アクの出る茶葉は、ややクラッシュしている(堀田さんの所の画像だと、もっと大きな工夫式の茶葉なのだが。)のですぐに色がでる。3gで1分弱という時間をとって入れてみたが、蓋碗の方がメリハリがあるが雑味も出た。一方、茶壺の方は、比較的穏やか。全体のトーンは、どちらも同じ感じ。
少なくとも、これを飲んだときアッサム地方で作られる紅茶とは思えない。でも、烏龍茶でもない。烏龍茶というのなら、発酵度をものすごく高くした紅烏龍か・・・。
むしろ、福建省の紅茶、そうだなあ、政和工夫のような味わいだろうか。濃く淹れるとやはり雑実が出るので、ストレートで飲むためにも、やや軽めに淹れるのが良いのではないかと思う。
香りも同じ中国種のダージリンや大葉種のシ眞紅のような華やかな香りはしない。でも、ゴールデンチップがところどころに見受けられるので、味わいに若干だが甘みが混じる。
確かにインド紅茶というには未完成。中国紅茶の流れを受け継いでいるという印象がとても強かった。未完成というなら、日本の紅茶にもつながるところがある。もちろん、日本の紅茶の青臭さはまるで無いのだが、奥に潜むテイストがふと、そんなことを感じさせる。
これがどんどん進化して、今のアッサム紅茶につながるというのはなんだか面白い系譜だなあ。もちろん、アッサムでは、アッサム種が使われているのだろうから、味わいも確実に違うのだが。何も言わないで、この紅茶だけを飲んだら、比較的質の良い中国紅茶と思うかもしれない。
二煎目になると、ややおとなしくなり、タンニン分が抑えられ、丸くなる。このときの味わいもは、茶壺の方がややおとなしい感じがする。蓋碗の方がメリハリがある。香りはやや落ちるか。
三煎目になると、茶葉がクラッシュしているせいか、時間を延ばさないとがくっと落ちる。紅茶であるためのデメリットか。
二煎目が一番僕には好みだった。完成度を高くした紅茶としての中国種inアッサムというお茶も是非飲んでみたいものだ。どのようにちがうのか、飲み比べするともっと当時の製法の意味合いがわかるかもしれない。
最後に茶底を見たが、これはどう見ても紅茶。もちろん、茶葉の作りは、今のアッサムなどのオーソドックスな紅茶とは違うが、その色合い、細かさは、まさに紅茶以外の何者でもない。堀田さんの所の画像とはやや違うかな・・・。
いずれにせよ、面白い企画をありがとうございました。
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